核家族化や少子高齢化が急速に進んだ今日、高齢者が高齢者の家族を介護するという「老老介護」の状況にある世帯がますます増えつつあります。
特に、若い人の少ない地方では、介護者不足が深刻で社会問題化しています。
2007年に厚生労働省が実施した国民生活基礎調査によると、在宅で介護をする人のおよそ1割が80歳以上の高齢者なのだそうです。
一口に「老老介護」といっても、配偶者の介護、親の介護などさまざまなケースがあり、認知症、脳梗塞、寝たきりなど、その症状も多種多様です。
「老老介護」の大きな問題点としては、介護者の負担が以前よりも増していることが挙げられます。
介護は、体力のある若い人でも腰や肩を痛める場合が多いという、介護者の身体にかなりの負担がかかる仕事です。
体力の衰えた高齢の介護者にとって、介護労働の身体的負担は大きく、介護疲れから新たな病を得ることにもなりかねません。
また、生活の中でのあらゆる不安、外出できないことや、プライバシーがないことなどへのストレスなど、精神的負担も相当なものです。
介護者の8割近くが、何らかの心身の症状を訴えているのですから。
高齢者の病気は、長期間にわたります。
長い間このような生活が続くと、高齢の介護者は健康を損ない、介護される高齢者も病状が悪化するという悪循環が、日々繰り返される場合も少なくありません。
このような「老老介護」の現状を改善するためには、介護保険制度のみならず、各自治体や地域コミュニティーによる支援など、介護者へのサポート体制を今以上に充実させる必要があるでしょう。
今後、老老介護世帯は増加の一途をたどると考えられています。
老老介護問題は、国民一人一人が、きわめて身近な問題として受けとめなければならない問題なのではないでしょうか。